レビュー】あまりに”マリオ”。マリオ好きに捧ぐ大傑作「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」【途中からネタバレ】
今回は2023年4月28日公開の
ザ・スーパーマリオブラザーズムービーを
ドルビーシネマ3Dで鑑賞してきましたので
レビューしたいと思います
本作特に日本では知らない人はいないんじゃないか
っていうぐらいの有名ゲームキャラクター
マリオを描いたフルCGアニメ映画ですね
あまりにも有名でもう説明不要ですよね
ゲーム機の性能的に16x16のドット絵でしか
キャラクターを表現できない時代に生み出され
リアルな3Dグラフィックが表示できる時代になってなお
40年以上もゲームの主役を張り続ける世界的なキャラクターです
世界で最も有名なゲームキャラクターとして
ギネス記録にもなるぐらい世界的にも有名であることはお墨つきです
私も子供時代はマリオのゲームに熱中していました
というか持っているゲームのほとんどがマリオ関係でした
初めて手にしたゲーム機がゲームボーイアドバンスで
ソフトがスーパーマリオアドバンス2だったのを鮮明に覚えています
このゲームはスーパーファミコンのスーパーマリオワールドを移植したゲームで
2Dの横スクロールのマリオとしては一つの完成形となっているゲームです
このゲーム全ステージをクリアすると
敵キャラのグラフィックが切り替わる裏モードになるんですが
もちろん裏モードになるまで完全クリアしてました
次に手にしたゲーム機が据え置き型のゲームキューブで
スーパーマリオサンシャインでした
スーパーマリオサンシャインは3Dタイプのマリオゲームで
水が出るポンプを使ったアクションが特徴的です
当時としてはかなりのグラフィック表現で
水の表現がすごく綺麗なんですよ
アクションもすごく軽快で
ホバーポンプを使っていろんなところに移動できるっていう素晴らしいアクションでした
私という人格の礎を作っていると言っても過言じゃないぐらいやり込んだゲームで
思い出の作品です
もうゲームキューブ本体はちょっと故障してしまって動かないんですが
このゲームを残しておくためだけに
中古のWiiを買ってサンシャインのデータを吸い出して
エミュレーターを使ってパソコンでプレイできる環境を整えてみました
このグラフィックすごくないですか?
2002年のゲームですよ
あとはマリオカートダブルダッシュ
ペーパーマリオRPGがお気に入りです
その後は任天堂DSでスーパーマリオ64の移植版
マリオカートDSなども遊びました
まあそんな感じで私のゲーム体験でほとんどはマリオであり
強く心に焼き付いているキャラクターなわけです
ゲームは違えど同じような方はいっぱいいるんじゃないでしょうか
逆に言うと実はドラクエとかファイナルファンタジーとか
ポケモンすらやったことないんですよ
ほぼマリオです
だからドラクエがCGアニメ映画になったり
ポケモンのハリウッド版実写映画が出たりした時も
正直私はあんまり関心を示しませんでした
今回マリオがハリウッドでCGアニメ映画化するということで
興味を示さないわけがないわけです
予告編はあんまり見ていませんでしたが
そのビジュアルは質感はリアルにはなってましたが
まさにゲームで登場するマリオそのもの
任天堂スイッチの次世代機のゲーム映像と言われても
信じるくらいのマリオそのものでした
ゲーム作品やアニメーションが映画化されるという時に
しばしばそのデザインが物議をかもすことはありますよね
同じく有名なゲームキャラクターのソニックが
ハリウッドで実写映画化されるという際に
そのデザインがリアルテイストに再構築されて
予告が公開された時にそのビジュアルの違いにファンが大抗議
映画は一部完成している段階にも関わらず
なんと公開日をずらしてまで
ソニックのデザインをゲームのものに近づけるという修正を行う
という事態になったのは記憶に新しいですよね
一方今回のザ・スーパーマリオブラザーズムービーは
ゲーム用のデータを流用したんじゃないかと思わせるほどにそのままです
まあ実際のところ流用はしてないと思うんですが
ほぼそっくり
その上で髭や髪の毛などは
ちゃんと最近のCGアニメらしくリアル表現を採用して
正当に誰がどう見てもマリオというビジュアルでした
原作があるタイプの映画化作品って
どこまでを流用してどこからを再デザインするか
このデザインの方針がヒットや評価に関わる重要な要素です
あまりに原作要素を流用しすぎると
ただの焼き増し
懐古主義
新規性がないなどと文句を言われ
アップデートを行いすぎると
こんなの〇〇じゃないとか
冒涜だとか文句を言われると
一流のハリウッドディレクターでさえも
たまに読み間違えるくらいなので
本当に難しい部分なんだと思います
ちなみにマリオが映画化されるのは
これが3回目で
1986年に2Dアニメ
ピーチ姫救出大作戦が
1993年にアメリカの実写映画として
魔界帝国の女神が制作されましたが
評価は非常に低かったそうです
すいません見てみたかったんですが
ちょっと見る手段がなくて見れませんでした
まあどちらも30年以上前の話なので
とりあえずなかったことにしましょう
さて今回2023年のマリオが撮った映画化戦略は
吉と出たか凶と出たか
ここからはネタバレなしで
感想を話したいと思います
ということでネタバレなしの感想ですが
結論を先に言うと「最高でした」
これは幼少期をほとんどマリオで過ごしてきたという
ポジショントークというか
正直偏った評価なんですが
それを差し引いても素晴らしい完成度だと思います
今回私はドルビーシネマ3D字幕版で
鑑賞してきました
3DCGでカラフルなマリオの世界と
色鮮やかな表現が得意な
ドルビーシネマは相性抜群ですね
実は今回マリオの声を当てているのは
ガーディアンズオブギャラクシーや
ジュラシックワールドでおなじみのクリス・プラットです
クリス・プラットの声を聞いてみたかったので
字幕版をチョイスしたという側面もありました
今回子供世代に大人気なマリオであり
なおかつゴールデンウィークに公開をぶつけるというスケジュールなので
圧倒的に吹き替え版上映が多いんですよね
逆に字幕版が貴重です
マリオの声といえば
ゲーム版の声を担当している
チャールズ・マーティネーさんのイメージしかないわけですが
It's a me! Mario! Woohoo!
さあどうなのか
クリス・プラットとは全然方向性が違います
マリオ以外のキャラクターも
基本的にゲーム版とは違っていて
俳優のキャスティングがなされています
蓋を開けてみるとこれがマリオ映画には必要だった
ということが理解できました
キャラクターのビジュアルについては
先ほどお話ししたように
ゲーム版とほぼ同じです
もし声すらゲーム版と同一だったら
それはもはやゲームのムービーシーンになってしまいます
ゲームと映画で決定的に違うこと
それはゲームではあくまで
主人公は操作しているプレイヤー自身だということです
キャラクターはコマに過ぎず個性はあってもいいですが
人格はあんまり必要ないんですよね
それを映画版では俳優という人格を表現するプロが
声を当てることでマリオという
人格のないゲームキャラに人格を与えることができました
そのおかげでこれはゲーム画面じゃない
劣気とした映画であると感じることができました
ちなみに任天堂公式サイトによると
本作は台本制作の段階で
英語版と日本語版が同時に制作されるという
特殊な工程となったより
英語がオリジナル版で
日本語がその吹き替え版という立ち位置ではなく
ある意味日本語英語どちらも
オリジナル版と言える作りになっているようなので
このマリオという人格が宿っているんだという感覚は
日本語版でも感じられるんだろうなと思います
ちょっと近いうちに日本語版も見ようと思います
キャラクターのビジュアルはゲームに忠実に
ただし声は寄せすぎない素晴らしいバランスですね
ちなみにマリオの声に関しては
面白い仕掛け要素もあったのでここは必見です
見た目と声の話ばっかりしましたが
やっぱり一番大事なのはストーリーです
正直私はよくわからないところで号泣してました
マリオが思い出になっている人全員を納得させる
名采配です
物語のベースとしてはゲームと変わりません
マリオシリーズのゲームでは
常にマリオはいいやつでクッパは悪いやつです
マリオはクッパをやっつける
これはもはや伝統芸能です
加えてこういう原作ありのもの
続編ものスピンオフものリブートものの醍醐味って
オリジナルの世界の補助とか拡張ですよね
意味付けとも言いますかね
まあ後付けとも言いますが
オリジナルのこれって実はこういうことだったんだよ
みたいなそういうのはいいじゃないですか
本作でもそういった要素を駆使して
キノコ王国という冷静に考えたら意味不明な世界観を
しっかり活用できるストーリーにまとめ上げていました
かつマリオのオリジンストーリーとしても
しっかりと成立していて
マリオという人格をしっかり確立させていて
まるでヒーロー映画の第1話のような完成度になっています
ファンが必要としているものを必要なだけ用意した
こう言っていいでしょう
公式パンフレット内の監督インタビュー記事によると
幼い時の体験を大スクリーンで
リアルな感情として表現したいと考えていたとのことです
ファンの感情を第一に捉えて
職人的な向き合い方でこの作品が生まれたというわけです
逆に批判的な目線で見るなら
これはとことんまでファンに媚びた作品ということができると思います
映画のレビューサイト「ロッテントマト」では
映画批評家の高評価率は59%
一般観客の高評価率は96%と
非常に差が開いているということがわかります
批評家の低評価レビューを引用してみましょう
「全体として過剰な刺激を与える要素の
錯乱した寄せ集めのようなパッケージです」
「既存の忠実なファン層を喜ばせるために
必要最低限のことをしたイースターエッグ探しに
狂奔した映画です」
「忘れてしまったのは魅力的なストーリーを作ることです
当たり障りのない面白みのない
こじつけのようなものです」
まあこんな感じですよ
まあわかりますよ
ファンが見たいものを見たいだけ詰め込んだ
それ以上でも以下でもないということは否定できません
でも伝統芸能なんですよ
ファンはそれを望んでいました
そして監督もそれを望んでいました
確かに何回も何回も鑑賞したくなるような
深みと言えるようなものは薄いです
牛丼屋に行って牛丼が出てくるようなもんです
牛丼が食べたいから牛丼屋に行き
望み通りの牛丼が出てくる
これでいいんじゃないでしょうか
でも工夫は随所に感じられます
ただのゲームムービーのようにも
私は感じませんでした
米の上に煮込んだ牛肉が乗っているという
牛丼の体裁は保ちつつも
タレの味付けや具のアレンジなど
まあ範囲は少ないですが
工夫の余地は無限大です
ここからはネタバレ要素にも触れて
引き続きお話しします
先ほどお話ししたように
この映画のベースのストーリーは
概ねゲームと同じで
様々なマリオシリーズの各要素を
見事にピックアップして映像化してくれています
ドンキーコングやマリオカートの要素の
繋げ方は見事でした
予告編でマリオカート的なシーンがあるってことは
知ってたんですが
どうやってそこに持っていくのかっていうのが
すごく気になってたんですよね
ドンキーコングが住んでるジャングル王国に
あそこまで高度なカート文化があるとは思いませんでした
トゲゾーが自分自身で変形して
トゲゾーこうらとなって
マリオを爆破するという展開は
思わず拍手しそうになりました
トゲゾーこうらは
1位を走るプレイヤーの足を引っ張るアイテムで
一部界隈では資本主義社会で生きる弱者による
富裕層への妬みを具現化したものであるとも呼ばれるぐらい
嫌われるアイテムで
マリオカート経験者なら必ずと言っていいほど
経験するシチュエーションにあっぱれです
さらにゲーム版でマリオの声を担当している
チャールズマーティネーさんが演じるキャラもおり
あの慣れ親しんだ声は
CM用の吹き替えだったということが
明かされるというサプライズもありました
クッパが悪いやつで
マリオがそれに立ち向かうというベースストーリーから
よくここまで濃厚な94分にできたなというところです
公式パンフレットによると
本作の制作には6年間かかっているとのことで
相当綿密にストーリーを設計しているということ
相当な熱意がこもっていることが伝わりますね
ストーリー設計といえばここで一つ
その公式パンフレット内のインタビューで
強調されている点があります
大抵のマリオゲーム作品では
ピーチ姫がクッパにさらわれ
マリオがそれを助けるという形になっているところ
さらわれ役をルイージが務め
ピーチはむしろマリオをリードする立場となっている
というところが違うという点です
公式パンフレット内のインタビューでも
そこは強調して記載されていました
確かにピーチ姫がさらわれる
ということに慣れている方にとっては
なんでそこを改変したんだと思うかもしれません
個人的にはこの点の変更って
別に特に気になる点でも
気にするところでもないと思うんですよね
ここでマリオの原点ともいえるゲーム
1985年発売ファミコンのスーパーマリオブラザーズの
当時の取扱説明書を見てみましょう
物語
キノコたちの住む平和な王国に
ある日強力な魔法を操る
オオガメクッパの一族が侵略してきました
おとなしいキノコ一族は
皆その魔力によって
岩やレンガつくしなどに姿を変えられてしまい
キノコ王国は滅びてしまったのです
このキノコたちの魔法を解き
蘇らせることができるのは
キノコ王国のお姫様ピーチ姫だけ
彼女は今大魔王クッパの主中にあります
マリオはカメ一族を倒して
ピーチ姫を救出し
再び平和なキノコ王国を
築くために立ち上がりました
ということだそうです
当時クッパはなぜピーチ姫を誘拐するのか
という理由は設定されていなかったらしいです
この物語を見るにも
ピーチ姫はあくまで
魔法を解くためのキーアイテムでしかありません
極論ピーチ姫じゃなくて
魔法を解く力のある石とかでもいいわけです
これがマリオの本質だと思うんですよね
それにマリオは大工さんというキャラ設定です
これもマリオが初登場したゲーム
ドンキーコングを作る上で
必然的にそうなったということが
マリオの生みの親である
宮本茂さんのインタビューで語られています
なんで大工さんが
大魔王クッパに立ち向かっているのか
なんで王国の姫を助けようとしているのか
動機や経緯が謎です
そう考えると本作の映画
ザ・スーパーマリオブラザーズムービーでは
この本質に立ち返り
大工さん
まあこれは配管工という設定が
後々追加されてますが
そんな職人が
なんでキノコ王国などという意味不明な王国で
なんでクッパに立ち向かうことになるのか
それを真剣に構成した結果
家族であるルイージがクッパにさらわれ
ピーチがサポートしつつ救出する
そういう流れになっただけだと思うんですよね
その上で
後々のマリオ作品の設定である
クッパはピーチ姫が大好きという設定をちゃんと受け継ぎ
最終的にクッパはピーチ姫をさらいたいと思っています
確かにね
全て全くこじつけではないかとか
全てに筋が通っているかというと違いますが
リスペクトと愛がこもった
実に巧みなストーリー設計だと思いました
映画終盤クッパの圧倒的なパワーで窮地に陥った
マリオとルイージがスターを取り無敵になるという展開
もうだいぶ前から見えていた展開なのに
なんかわからんけど感動してしまいました
やっぱりこれは伝統芸能です
子供向けコミックに現実味と深みを与えた
クリストファーノーランのダークナイトのような
コクのある味わいはあるか
ないと思います
逆に深みとコクが出ているマリオなど必要なのでしょうか
大人も子供も楽しめる
超正統派エンターテイメント映画として
素晴らしい作品といえる
ザ・スーパーマリオブラザーズムービーでした
今回の動画は以上です
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